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桜の季節が巡っても
第13章 相愛の春
「龍も、裏切れないって」
「…何?」
口から煙草を離し、運転席のシートから身体を起こす。
唇が、不快に歪む。
「なんて?有栖川先生?」
「だから。龍を裏切れない。龍には敵わない。龍なら間違いないって」
「お前さ。有栖川先生に、俺がお前の事好きだとか教えたわけ?」
「言ってない、そんな事」
泉夏は断言し、龍貴を向く。
「そんな事、自分で言えるはずがない。…図書館まで龍に送ってもらったとは喋ったけど」
「じゃ、なんなの。有栖川先生のその、如何にも意味あり気な言い方」
「…自分の事は鈍いくせに、他のひとの事になると途端に鋭くなる時があったから」
-だから、薄々気付いてたんじゃないかな。
ふうん-泉夏の呟きを聞きながら、龍貴は吸い始めたばかりの煙草を灰皿に押し付けた。
「…何?」
口から煙草を離し、運転席のシートから身体を起こす。
唇が、不快に歪む。
「なんて?有栖川先生?」
「だから。龍を裏切れない。龍には敵わない。龍なら間違いないって」
「お前さ。有栖川先生に、俺がお前の事好きだとか教えたわけ?」
「言ってない、そんな事」
泉夏は断言し、龍貴を向く。
「そんな事、自分で言えるはずがない。…図書館まで龍に送ってもらったとは喋ったけど」
「じゃ、なんなの。有栖川先生のその、如何にも意味あり気な言い方」
「…自分の事は鈍いくせに、他のひとの事になると途端に鋭くなる時があったから」
-だから、薄々気付いてたんじゃないかな。
ふうん-泉夏の呟きを聞きながら、龍貴は吸い始めたばかりの煙草を灰皿に押し付けた。

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