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桜の季節が巡っても
第13章 相愛の春
泉夏は何かを言いかけたが、龍貴に制される。
「裏切りだと思うような事をしたいくせに、我慢する?諦める?なんの為に?俺の為?俺を裏切れない?」
龍貴は鼻を鳴らした。
「ご苦労な事だな。そうやって返してもらって、俺がお前に感謝するとでも?」
自分を見下す龍貴の態度に、情けないと思いつつ、秀王は怯んでしまう。
「残念だけど俺は絶対に、『有栖川先生ありがとう』なんて言わないよ?『ああ、良かった』って、当然の如くもらうだけ。今は一刻も早く『先生アメリカに行ってくれないかなあ』って思ってる。目障りなんだよね、いつまでも。何回も。もう二度と日本に来て欲しくないね」
辛辣過ぎる物言いだが、何も言い返せない。
ああ、もう早く彼女を連れて-黒い感情が、大きな渦を巻く。
それは救ったのは-彼女の懇願。
「龍、お願い。私が言う事じゃないけれど、もうやめて。責めるなら私にして。先生は、何も悪くない」
-悪いのは私。
泉夏の言葉に、龍貴は我に返ったように息を吐(つ)いた。
「裏切りだと思うような事をしたいくせに、我慢する?諦める?なんの為に?俺の為?俺を裏切れない?」
龍貴は鼻を鳴らした。
「ご苦労な事だな。そうやって返してもらって、俺がお前に感謝するとでも?」
自分を見下す龍貴の態度に、情けないと思いつつ、秀王は怯んでしまう。
「残念だけど俺は絶対に、『有栖川先生ありがとう』なんて言わないよ?『ああ、良かった』って、当然の如くもらうだけ。今は一刻も早く『先生アメリカに行ってくれないかなあ』って思ってる。目障りなんだよね、いつまでも。何回も。もう二度と日本に来て欲しくないね」
辛辣過ぎる物言いだが、何も言い返せない。
ああ、もう早く彼女を連れて-黒い感情が、大きな渦を巻く。
それは救ったのは-彼女の懇願。
「龍、お願い。私が言う事じゃないけれど、もうやめて。責めるなら私にして。先生は、何も悪くない」
-悪いのは私。
泉夏の言葉に、龍貴は我に返ったように息を吐(つ)いた。

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