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桜の季節が巡っても
第13章 相愛の春
ようやくどうにか喋れるようになった泉夏は、続いて言った。
「…でも、一向に言ってくれなかったし。ようやく言ってくれても、遠回しだったし。そもそも私、一回断られてるし。なのにいつ、心変わりしたのかなって。…だってあの夏の日からずっと逢ってもいなかったのに。どうしたら私を…私のどこを、いきなり好きになってくれたんだろうって」
-とても、信じられなくて。
泉夏は小さく漏らした。
本心だった。
好きだと言ってくれた事は、それは天にも昇るほど。
けれどすぐには信じられないのは-仕方がなかった。
一度はきっぱりと拒否した自分の想いを、彼はどうして受け入れてくれる気になったのだろう。
もう逢ってもいなくて。
話してもなくて。
当然のように、電話やメールさえも。
最早、何もかもの接点さえ消え失せそうだったのに。
どうして『好き』になってくれたの?
「…でも、一向に言ってくれなかったし。ようやく言ってくれても、遠回しだったし。そもそも私、一回断られてるし。なのにいつ、心変わりしたのかなって。…だってあの夏の日からずっと逢ってもいなかったのに。どうしたら私を…私のどこを、いきなり好きになってくれたんだろうって」
-とても、信じられなくて。
泉夏は小さく漏らした。
本心だった。
好きだと言ってくれた事は、それは天にも昇るほど。
けれどすぐには信じられないのは-仕方がなかった。
一度はきっぱりと拒否した自分の想いを、彼はどうして受け入れてくれる気になったのだろう。
もう逢ってもいなくて。
話してもなくて。
当然のように、電話やメールさえも。
最早、何もかもの接点さえ消え失せそうだったのに。
どうして『好き』になってくれたの?

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