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桜の季節が巡っても
第13章 相愛の春
なんて柔らかで。
なんて良い香りなのだろう。
彼女に酔わされながら思う。
こうして彼女を独占して。
こうして彼女の匂いを感じる事が出来るのは-自分だけだと。
『嬉しい』なんて言葉なんかじゃなく。
『好き』か『嫌い』か-ふたつにひとつ。
叶うのなら言って欲しい。
その口から言って欲しい。
自分を『好き』だと。
自分だけをまだ『好き』だと。
『さよなら』の後に、こうしてまた逢いに来てくれた。
それはそういう事なんだと。
思いたい。
思わせて-。