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桜の季節が巡っても
第13章 相愛の春
「…俺が、帰れって言ったから?」
正解なのかそうじゃないのか-確率は半々だが、そのどちらかは確信が持てなかった。
だから口にするのを正直躊躇ってしまったが-興奮している彼女をこのままにはしてはおけない。
これ以上怒りを上乗せさせる結果にだけは、どうかならないように-祈りながら秀王は訊いた。
「だからそれでなんで私が怒ってるか、分かってるのかって訊いてるのっ」
恐る恐る自分の顔色を窺う彼の様子が、泉夏のいらいらを増大させる。
「…まだ帰りたくないから?」
「…合ってるようで合ってない」
秀王の返答を切り捨て、泉夏はそっぽを向く。
少し前までは、あんなに幸せな時間だったのに。
少し前までは、あんなに甘美な空気が流れていたのに。
「…私。先生から見たら、やっぱりまだ子供?」
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