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桜の季節が巡っても
第13章 相愛の春
恋に堕ちた時から思っていた。
ただでさえ頭の良さも。
容姿も。
なにもかもが彼に釣り合っていないのに。
十歳も年が離れてて。
もう完璧、子供としか見てくれないに決まってるって。
「だから…だからいつだって、すぐ帰るように言われる?だからもっと一緒にいたいって、思ってくれない?だから-」
-キスより先はしてくれない?
最後の疑問は、声に出来なかった。
唇から顎に伝った口唇に、確かに最初は驚いた。
だって、当たり前だ。
口付けを交わしたのも初めてなら、そんな風にされたことも初めてだったのだから。
どきどきして。
ちょっとだけ怖くて。
でも、嫌とは違う。
こんな自分だけど、少しは彼がどうかしたいと思うくらいには魅力があるって。
とても、嬉しかった-。
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