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桜の季節が巡っても
第13章 相愛の春
「…手」
秀王は彼女の消え入りそうな声に、小首を傾げた。
「…手を、繋ぎたい」
最大限の勇気で、絞り出すように告げる。
こんな事言って笑われない?
こんな事言ってやっぱり子供っぽいって思われない?
恥ずかしさに声はもっと小さくなる。
「先生と手を繋いで…歩きたい。今日はデートではないかもしれないけれど、そうやって手を繋いで、先生とどこかに出掛けるのが-」
-ずっと夢だった。
泉夏は言い切った。
夜で良かった。
どんな赤い顔をしていたとしても、上手く隠してくれるから-。
なんて言われる-どきどきしながら待っていると、右手に何かが触れた。
触れたかと思ったら、温かなものが手を包み込んだ。
泉夏は驚いて、隣りの彼を見上げた。
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