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桜の季節が巡っても
第13章 相愛の春
「先生」
「何?」
「本当にアメリカにいるの?」
意を決した泉夏の問いに、秀王は微かに苦笑いした。
「パスポートでも見せればいい?」
ううん-泉夏は慌てて首を振る。
「なんのお仕事してるの?同じようなって前、言ってたよね。大学とかにいるの?」
「うん」
「また先生してるの?」
「研究の手伝いみたいな感じかな」
「そう…」
不意に沈黙が訪れる。
お互い静寂の理由が分かるだけに、どちらとも次をなかなか紡げない。
明日になればまた、離れ離れになってしまう。
今日はこんなに満ち足りているのに、また逢えなくなってしまう。
次に逢えるのはいつ?
今日はまだこれからなのに、もうそんな事を考えてしまう。
次の事を、考えてしまう-。
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