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桜の季節が巡っても
第13章 相愛の春
「…大学の先生じゃなくなったとしても、せめて日本にいてくれたら良かった。そしたら毎日は無理でも、一週間に一度くらいは逢えたのに」
ぽつり。
本音がつい、零れてしまう。
返す言葉が見付からず困っている彼の横顔に、泉夏は急いで否定する。
「違うの。ごめんなさい。私、お仕事の事に口を挟むつもりは全然なくって-」
-ただ、逢いたくて。
両想いになってもやっぱり、その距離は埋まらない。
この繋いだ手と手のように、ようやく心と心も通じ合ったけれど。
待つけど-やっぱり、淋しさは変わらない。
好きになってくれただけでも奇跡なのに。
多くは望んではいけない。
そんなの、よく分かってるのに-。
「…仕事の大変さも分からず、感情だけで逢いたいだなんて、言ってしまってごめんなさい」
我慢しなくては-思わず口走ってしまった自分を悔やんでいると、彼が呟いた。
ぽつり。
本音がつい、零れてしまう。
返す言葉が見付からず困っている彼の横顔に、泉夏は急いで否定する。
「違うの。ごめんなさい。私、お仕事の事に口を挟むつもりは全然なくって-」
-ただ、逢いたくて。
両想いになってもやっぱり、その距離は埋まらない。
この繋いだ手と手のように、ようやく心と心も通じ合ったけれど。
待つけど-やっぱり、淋しさは変わらない。
好きになってくれただけでも奇跡なのに。
多くは望んではいけない。
そんなの、よく分かってるのに-。
「…仕事の大変さも分からず、感情だけで逢いたいだなんて、言ってしまってごめんなさい」
我慢しなくては-思わず口走ってしまった自分を悔やんでいると、彼が呟いた。

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