この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
桜の季節が巡っても
第13章 相愛の春
「…一代目のシロ?」
恐る恐る問いかけたのだが、秀王は嬉しそうに泉夏を見た。
「そう。白いから、シロ。子供が付ける名前なんて単純だろ」
どんな話が始まるのか-緊張していた泉夏だったが、つられて笑いが漏れる。
「目的地で満開の桜の花を見て、多分その辺の観光地なんかも回ったりして、すっかり遅くなってしまったその帰り道-」
ほんの僅か狭められる、その瞳。
「暗闇の中からいきなり飛び出してきた…恐らく野良犬か何かを避けようとして、父親が思いきりハンドルを切った」
泉夏の顔が一瞬にして強張る。
「道路脇にあった大きな桜の木にぶつかって程なく車は停まり、幸運にも対向車にも後方車にも被害が及ぶ事もなかった。…死んだのは両親と、飼い犬と。同乗していたその子供が重体だっただけで」
見る見るうちに表情を凍らせてゆく泉夏を、秀王は優しく窺う。
「ただの昔話だ。なんでもない。そんな顔をさせたくて喋ってるんじゃない」
だから、普通にしていて-そうは言われるが、泉夏はどうしていればいいのかまるで分からなかった。
/1346ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ