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桜の季節が巡っても
第13章 相愛の春
「笑って話せるぐらいだ。今はなんともない。本当だよ」
「…」
泉夏は俯いてしまう。
自分はどんな顔で、どんな事を言ったらいいのか-少なくとも笑顔で聞き流せる話じゃない。
そんな彼女を気遣いながらも、秀王は先を続ける。
「野良犬を庇って飼い犬は死なせてしまったなんて、なんだか皮肉なものだとも思ったけど。死んでしまった両親も、記憶を失った自分も…まあ、運命だったのかなと。その野良犬…かは自分も記憶が定かじゃないけど、死骸は近くに見当たらなかったみたいだし、多分助かったのだと思えば…まあ、良かったなと」
「…」
「ただ、自分の知らないふたりを両親だと言われても…しかも自分の知らない間(ま)に、既に死んでしまっていて。加えて飼い犬まで。記憶に蓋をしたまま、家族を一遍に失ってしまったのは…正直、子供ながらにも結構ショックだった。それと同時に、生命あるものはいつか必ずいなくなる、いついなくなるか分からない…早くから悟って、妙に冷めてしまってもいた」
-かわい気のない子供だろ?
話を振られたが、とても答えらない。
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