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第13章 相愛の春

「大好きだよ」
「ほんと？なら良かった」
胸を撫で下ろした所で、爆弾発言を落とされる。
「泉夏が大好きだよ」
優しい眼差しの彼がこちらを見ていた。
泉夏の顔は、見る間に赤く染まる。
「…か、からかわないでっ」
言うのが、やっとだった。
「なんで。本当の事だ」
どこ吹く風の彼に、泉夏は増々動揺してしまう。
「そ…そうじゃなくてっ。今、私が訊いたのは、パスタが好きかって事で…！」
「知ってる」
必死になって説明したのに、あっさりかわされる。
文句の一つも言ってやる－息巻いていたのに、秀王に先手を打たれた。
「どっちも大好きだよ、泉夏」
大好きな笑顔を向けられ、泉夏は恥ずかしさに目を逸らす他なかった。
そんな彼女の姿に堪らない幸せを感じつつ、秀王は話の続きに戻る。