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桜の季節が巡っても
第14章 朧夜の春
「段々会話が途切れ途切れになってきて。そのうち完全に泉夏から声がしなくなって。『ああ、やっぱり眠かったんだな』って、正直に言うなら、最初は少し残念だった。でも泉夏の顔を覗いてみて…話が出来なくなってしまった事なんて、どこかに消し飛んでしまった」
それは幸せそうに語られ、とてつもない恥ずかしさを泉夏は耐えるしかない。
「自分の腕の中で寝息を立てる泉夏を、改めて愛おしいと思った。自分を信用して眠ってくれているんだって、とても嬉しかった。目を閉じたら更に長く見える睫も。微かに開かれたままの唇も。相変わらず柔らかな頬も。ただただなんて可愛いんだろうって思ってた」
「…先生は、とにかく大袈裟過ぎ」
素直に『ありがとう』とはとても言えず。
折角『可愛い』と褒めてくれてるのに、それとは真逆の態度で素っ気なく呟く。
「言葉足らずで上手く表現出来てない自覚はある。俺の伝え方が悪くて、本気に聞こえてないとしたらごめんね。でも思っている事は本当だから」
-それは信じて欲しい。
真剣な表情で訴えられ、泉夏は窮地に追い込まれる。
それは幸せそうに語られ、とてつもない恥ずかしさを泉夏は耐えるしかない。
「自分の腕の中で寝息を立てる泉夏を、改めて愛おしいと思った。自分を信用して眠ってくれているんだって、とても嬉しかった。目を閉じたら更に長く見える睫も。微かに開かれたままの唇も。相変わらず柔らかな頬も。ただただなんて可愛いんだろうって思ってた」
「…先生は、とにかく大袈裟過ぎ」
素直に『ありがとう』とはとても言えず。
折角『可愛い』と褒めてくれてるのに、それとは真逆の態度で素っ気なく呟く。
「言葉足らずで上手く表現出来てない自覚はある。俺の伝え方が悪くて、本気に聞こえてないとしたらごめんね。でも思っている事は本当だから」
-それは信じて欲しい。
真剣な表情で訴えられ、泉夏は窮地に追い込まれる。

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