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桜の季節が巡っても
第14章 朧夜の春
彼女が許してくれるのなら。
もしもそれが可能な状況なら。
果てなくする。
滅茶苦茶にしてしまう。
そんな風にしたいと思っているのに。
それでも、そんな事が言える-?
もう気のせいなんかじゃなかった。
自分は許されている-嬉しさに声を詰まらせながら、秀王は呟いた。
「…今日はまさか、泉夏に逢えるなんて思ってもみなくて」
泉夏の表情が、ほんの僅かだけ変化した。
それでもまだまだ硬さが残ったままの彼女に、秀王は微笑んだ。
「自分が思い描いていた結末とまるで違う。全然違う。今こうしていられるなんて…思いも寄らなかった」
そっと頬に触れられて、泉夏はおずおずと彼に視線を合わせた。
「あまつさえ、もっと触れる事を許してくれていると分かれば-」
-約束さえ、もうどうでもいいって思ってしまう。
困った笑みを向けられて。
羞恥と-そして喜びに、泉夏の頬は熱くなる。
もしもそれが可能な状況なら。
果てなくする。
滅茶苦茶にしてしまう。
そんな風にしたいと思っているのに。
それでも、そんな事が言える-?
もう気のせいなんかじゃなかった。
自分は許されている-嬉しさに声を詰まらせながら、秀王は呟いた。
「…今日はまさか、泉夏に逢えるなんて思ってもみなくて」
泉夏の表情が、ほんの僅かだけ変化した。
それでもまだまだ硬さが残ったままの彼女に、秀王は微笑んだ。
「自分が思い描いていた結末とまるで違う。全然違う。今こうしていられるなんて…思いも寄らなかった」
そっと頬に触れられて、泉夏はおずおずと彼に視線を合わせた。
「あまつさえ、もっと触れる事を許してくれていると分かれば-」
-約束さえ、もうどうでもいいって思ってしまう。
困った笑みを向けられて。
羞恥と-そして喜びに、泉夏の頬は熱くなる。

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