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桜の季節が巡っても
第14章 朧夜の春
「今度日本に帰って来た時は、泉夏と一緒に色々な場所に行けたらいいなって思ってる。今日より沢山の話もして、泉夏を知りたい。俺の事ももっと知って欲しいって思う。そしてその時も、今夜と同じ事をもしも泉夏が思ってくれるのなら-」
-今度こそは、泉夏に触れたい。
打ち明けられて、泉夏は秀王の背にしがみ付いた。
背中に回した両手に力が籠る。
その場の感情だけじゃない。
その時の一時的な激情に流されもしない。
それくらいには-自分は大事にされている。
もどかしくも、最後は揺るぎない彼がやっぱり大好きだった。
縋ってくる泉夏を抱き返しつつ。
次第に申し訳ない気持ちが、秀王の中に芽生えてくる。
きっと彼女は自分に感激してくれてるに違いない。
けど本当の自分は-単に物分りのいい振りをしてるに過ぎなかった。
彼女に語ったふたつの理由に偽りはないけれど。
でも、もしも-。
-今度こそは、泉夏に触れたい。
打ち明けられて、泉夏は秀王の背にしがみ付いた。
背中に回した両手に力が籠る。
その場の感情だけじゃない。
その時の一時的な激情に流されもしない。
それくらいには-自分は大事にされている。
もどかしくも、最後は揺るぎない彼がやっぱり大好きだった。
縋ってくる泉夏を抱き返しつつ。
次第に申し訳ない気持ちが、秀王の中に芽生えてくる。
きっと彼女は自分に感激してくれてるに違いない。
けど本当の自分は-単に物分りのいい振りをしてるに過ぎなかった。
彼女に語ったふたつの理由に偽りはないけれど。
でも、もしも-。

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