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恋花火***Special Starmine
第4章 星に願いを
もうすでに辺りは暗く、夜だった。


暗くてもわかるその天井は、タケルの部屋。


「…タケル?」


名前を呼ぶも、返事がない。


身体を起こして部屋を見渡すけど、タケルの姿はなかった。


急に不安に襲われる。


……これ夢?


私は学校の保健室にいたはずなのに。


部屋は暗く静かで、静かすぎて耳が痛いほどだった。


この世界には私しか存在しないような気さえしてくる。


"嫌い"


美波に言われた言葉


思い出したくもないのにまた思い出してしまう。


大好きな人に拒否されるというのは、とても衝撃的で


私はまだ、それを受け入れられそうもなかった。


一番近くにいるタケルも


泣き虫で甘えんぼな私にいつか愛想を尽かすのかもしれない。


最近は幸せすぎて忘れていた。


大好きな人は、私の側からいなくなるということ。


頭から布団をかぶった。


タケルの匂いがする。


大好きな匂い。


それをいつか手放さなきゃいけない日がくるの?


そう思うと、たまらなく苦しい。












ふと、ドアが開くような物音がして


人の気配を感じた。


タケルだった。


「起きた?」


タケルは近づき、私の額に手を当てた。


「まだ熱いなぁ。なんか食えそう?」


…ねぇ、タケル


こんなに手のかかる私が側にいて


嫌じゃない?


「…今日、菜月がいきなりコンニャクみたいになってビビった。」

「コンニャク…?」

「そう。おまえちゃんと飯食ってんの?痩せすぎ。」

「食べ…てないかも。」


最近、というか二年生になってから


あんまり食べれてない。


タケルは枕元に来て、寝てる私にキスをした。


「…風邪うつるよ?」

「菜月のコレは風邪じゃないでしょ。」


さすがタケルにはお見通し。


今日のお熱は、考えすぎた時に出る知恵熱ってやつ。


「遠足の前の日とか。よく熱出してたよな。」

「そうだっけ…」

「うん。俺その度に焦ってた。やべー明日菜月来れなきゃ弁当ねーしみたいな。」

「そっちの心配?笑」

「それに、菜月いなきゃつまんねーし。」


そう言ってタケルは


ぐしゃぐしゃと頭を撫でた。




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