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恋花火***Special Starmine
第5章 恋する乙女
試合開始15分。


私たちの高校は押され気味…というか


シュートチャンスは何回もあるのに


いまいち決まらない。


肝心なところで外す。


「なにやってんだコラ!!」


監督のゲキが飛ぶ。


前半は0-1で終了。


相手がリードしている。


「…レン、ウォーミングアップしろ。」

「え!?」


ベンチにいたレンに、声がかかった。


レンと同じポジションは、今日は一年生が任せられていたが


やはりレンが行くべきと判断された。


「レン!!頑張れ!!」

「おー。タケルもいるしな。あうんのブレスでファイトしてきやす。」


レンはヒラヒラと手を振って、ピッチに駆け出していった。


「あうんのブレス?は?」

「…あうんの呼吸じゃない?」

「なるほど…」


こんな時にルー語とは、レンってバカかも…そう思ったけど、


「レン先輩かっけぇ〜」

「こんなでっけー大会で緊張してないとかすげー!」


一年ベンチ組がレンをベタ褒めしていた。


レンとタケルは、一年の頃からスタメンに抜擢されてきた。


そのプレッシャーは相当なものだっただろうけど


それをひとつひとつ乗り越えて





とても頼もしい背中になっている。


「あれ、美波なんか落ちたよ。」


美波のポケットからポロッとなにかが落ちて


拾い上げるとそれは、お守りだった。


美波はそれを慌てて取り上げて、再びポケットにしまい込んだ。


「…もしかして見た?」

「バッチリ。」

「恥ずかし。」

「それ、レンのやつ?」


問いかけると美波は、こんな顔見た事ないってくらい照れ臭そうにして


こくんと小さく頷いた。
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