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恋花火***Special Starmine
第1章 春うらら
と、思っていた矢先に


フェンス越しにサッカー部を見ている新入生の中に、さっきの子たちを発見してしまった。


……なんの用事?


まさかマネージャーとして入ってきたりしないよね?


その予感は的中。


マネージャー希望として、数日後にその子達が体験入学ならぬ体験入部した。


タケルに話しかけたりはしてないけど、まぁ部活忙しいからそんな暇なくて当たり前なんだけど


目で追ってる!


やーめーてー!!






「男目当てならやめてくれる?」


いつもなら同意できないユリ先輩にも、今回は拍手を送りたいくらい。


もっと言ってください!


…とか思ってしまう、性格の悪い私…。


たぶん図星を指されたであろう一年生の女の子たちは、俯いてしまった。


……が、一人だけ違った。


「そんなんじゃありません。」


ユリ先輩に向かって、ハッキリ物を言う子がいた。


タケルを狙ってるらしい女の子のお友達


前髪をぴょこんとゴムで結わえている、あの子だった。


「じゃあなによ?いつもキャーキャーうるさいんだよ。」

「今後気をつけます。」

「こっちは真面目にやってんだよ。空気乱さないでよね。」

「すみませんでした。」


去年までユリ先輩も空気乱してたけど、今は真面目にマネージャーしてる。


それよりそんなユリ先輩に、物怖じせずに向かってく女の子に、尊敬の眼差しを向けた。











「あー、パインちゃんね。」

「なにそのあだ名!?」


帰り道、タケルとその子の話になった。


「なんか髪型パイナップルみてーじゃん。」

「え…あぁ、ヘタの部分のことね…」


タケルに想いを寄せてたっぽい子達は今日で辞めると言っていたのを聞いた。


パインちゃんはたぶん明日も来るんじゃないかなーと思った。


「ユリ先輩にハッキリ言えるとかすごくね?俺もビビって言えなかったのに。」

「うん、すごいよね。」


確かに最近タケルは雰囲気柔らかくなった。


口調は相変わらずだけど


なんだろ、表情?


「……あ。」

「あ!?」


タケルの顔を眺めてたら、いきなりこっち見たからビックリした。


「今日チューしてなかった。」


そう言ってチュッてされて


私の顔は、一気に赤くなってしまった。

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