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恋花火***Special Starmine
第6章 VICTORY
決勝戦が始まった。


相手は頭脳プレイで有名な高校だった。


どんな先手を打っても読まれてしまい、我が校は攻撃のチャンスまで持っていけなかった。


「…今回無理かもな」


後ろに座ってた1年がボソッと呟く。


「ちょっと!それはないんじゃない!?みんな頑張ってるのに!」


ユリ先輩は怒りだした。


「絶対勝つ!!」


…そうだね、ユリ先輩。


絶対勝つよ。


勝たなきゃ嫌だよ。


結果はどうあれ過程が大切だとよく聞くけれど


やっぱり勝ちたいよ。


0-1のまま前半は終了。


先制取られると、なんとなく士気が下がる。


「おいおまえら!ヘコんでる場合じゃねー!相手見ろ!ヒョロイし肩で息してんぞ!!」


タケルがなんか盛り上げてるけど、元気のない部員たち。


テンションが低めのまま、後半が始まった。


最悪なことに、もう一点入れられてしまった。


この場にいるほぼ全員が、もう勝てないんだと決めつけているように思えた。


アディショナルタイムに入るときに、陸先輩がタイムを要求した。


「タケル!!」

「待ってましたー!!」


アディショナルタイムは6分。


そこで同点に持ち込むかどうかしないと、勝利はない。


私は急いでテーピングを巻いた。


「うっううぅ〜」

「バカおまえなんで泣いてんの?」

「これでタケルのテーピングも最後かと思うと…」

「最後って決まってから泣けよ。つーか早く!アレしてアレ!」

「…アレ?」


テーピングも巻き終わったし…なに?


ボーッとしてたら頬をガッと掴まれて


チュウーって


キスされた…


「タケル先輩かっこいい〜!」


無駄に盛り上がる我が校のベンチ。


タケルがピッチに現れた瞬間、本当に活気付いた気がした。


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