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恋花火***Special Starmine
第6章 VICTORY
美波は淡々としてるけど、あまりのショックに声が出なかった。


「結果はこうなったけど、レンにはありがとうしかないな。最後はちょっとアレだったけど…楽しかった記憶ばっかりだよ。」


美波は、清々しい顔で


背筋をピンと伸ばしてそう言った。


「…菜月。」


まるで私はさっきのタケルみたいに涙に溺れた。


「ちょっと笑 あたしも泣いてないのに。笑」


たくさんのことが頭を駆け巡った。


美波とレンがキスしてるところを私とタケルが目撃しちゃったあの日のことや


タケルがいなくなって、電話かけたこと


いつも四人で学食でバカ騒ぎしたことも


みんなみんな


「ヘルプー!タケルー!!笑」


どこからかタケルがやってきて、テーブルに突っ伏して泣いてる私の身体を起こした。


「うわっおまえ鼻水!」


ビョーンと鼻水が出てた…


「美波ごめん…なんもできなくてごめん…」

「ううん。そんなことないよ。菜月にもありがとうしか言えないや…」


そう言う美波の目にも浮かぶ涙。


私はそれを見て、更に涙がこぼれた。












「やっと止まった〜」

「鼻の下痛い…」


タケルと外へ出て、しばらく泣いて、ようやく止まった涙。


例の如くタオルでゴシゴシ拭かれたから、鼻の下が擦れて痛い……


「…レンも泣いちゃってさ。帰ったよ。」

「帰ったの?」

「うん。レン言ってた。あの女の子とも付き合わないってさ。」

「…なんで?」

「美波と別れた瞬間、もうより戻したいんだと。」

「なにそれ笑」

「近すぎてわかんなくなってたんだろ。こっからだよ。あいつらの第2章。」

「そっか…」


くっついて


近すぎて見失って


失くして気が付いて


「…なんか私たちみたいじゃない?」

「そー?」

「うん。近すぎてわかんなくなるっていうのはすごい共感する。」


"近すぎるとダメになる"


昔周囲にそう言われたことがある。


「私離れたくないなぁ…」


タケルの肩に頭を乗せると


「だからなんで離れる設定〜?」


そう言ってタケルが笑い


夜色の空の下


私たちは、キスをした。
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