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恋花火***Special Starmine
第7章 夏の日の強化合宿
タケルは部屋の二段ベッドに腰掛けて、床に座ろうとした私を引き止めた。


「隣来て。」


特に断る理由も見当たらなかったから、タケルの隣に座った。


「なんか菜月と話すの久しぶりだな。」

「…そうだね。」


沈黙がやけに気になる時間が流れる。


ふとタケルの方を見ると、ニコッと微笑んできた。


「…合宿も終わりかー。菜月もお疲れさま。」

「なに、なんか気持ちわるい。」

「はぁ?」

「タケルがそんな優しい言葉かけてくるなんて、不気味。」

「ひでーな。俺今までどんなんだったの?」

「どんなって…」


タケルは、そんなに柔らかい表情で喋る人じゃなかった。


常に周囲を威嚇するくらいの鋭い眼差しで


もともと大きい瞳もあって、更に凄みを増していた。


それで、感情もなんもない風に言葉を放つの。


ぶっきらぼうで


男っぽくて


だけど


それでも私だけには……


「…なんか最近、タケルじゃないみたい。」

「なんで?どこが?」

「わかんない。わかんないけど…、タケル変わった。」

「だからどこが?」

「言いたくない。」


理不尽な態度を取る私にも


タケルは怒らない。


前はこんな風に言い争いになると、必ず喧嘩ふっかけてきてたのに。


「菜月ちゃんは機嫌が悪いですねー」

「茶化さないでよ。」


私、意味わかんないでしょ?


なのになんで怒らないの?


なんでそんな優しい目で見てくるの?


「…怒った顔も好き。」


こんな風に


愛を囁くタケルなんて______


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