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恋花火***Special Starmine
第1章 春うらら
「じゃあ、素敵なお誕生日を過ごしてね。タケルのお母さんにも、おめでとうって伝えておいてね。」


家の前でバイバイする。


…けど、タケルが手を離してくれない。


「…菜月も来て。」


またそっぽを向いたまま、そう呟いてきた。


「家族水入らずでお祝いしたらいいじゃん。」

「…だったら菜月も家族だから。」

「違うでしょ。笑」

「いいから来てってば。」


なにこれ可愛い…!!


なんかものすごく可愛い生き物に見えてきた。


「い、行く。」


ほぼ無意識にそう返事をしてしまった。


するとタケルは、ニッコリ笑った。


なに!


なにその笑顔!


可愛すぎる!


「…なにしてんだよ」


あまりに可愛くてうっかり頭をよしよし撫でてた。


「ごめん、なんかものすごく可愛くてつい。」

「なんだそれ」


タケルはハハって笑って、チューーーって


ちょっと長めのキスをしてきた。


「みーちゃった〜みーちゃった♪」

「「!!」」


振り返ると、タケルのお母さん!!


ぴゃ〜っ!!


「ちがっ!これは!あの!!」

「いいじゃない♪なっちゃんも来てくれんでしょう?私のお誕生日会♪もうおじいちゃんスタンバイしてくれてるよ?」

「はっ!?」


急いでタケルの家に入ると、「遅い!!」と、パーティ帽を被ったおじいちゃんがリビングにいて


ヘナヘナと身体の力が抜けた。


「涼子さんにはたくさん世話になったからな。」

「やーだいいんですよぉ松下さん!」


はっはっはーと家に笑い声が響き


なんだか自然と頬が緩んだ。
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