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恋花火***Special Starmine
第1章 春うらら
テレビボードの写真の中で
まだ幼い私たちは寄り添い、手をつなぎ
無邪気に笑っている。
…私はこの頃から、ずっとタケルは特別な存在だった。
胸のトキメキとかそんなのはまだわからなかった年齢だけど
隣にタケルがいると嬉しくて
手を繋げば安心出来た。
それは昔も今も、ずっと変わらないもの。
「なんかこうして見ると私たち兄妹みたい。」
「そ?」
「うん。だってお互いの思い出全部共有してるんだよ?それって本当に家族みたい。」
久しぶりの写真に見入っていると、タケルがその写真をひとつ手に取った。
「…これ、中1の時だな。」
それは中1のときの、文化祭の写真。
「俺、この時すでに菜月のこと独り占めしたくてヤバかった。」
「…そうなの?」
「そう。おまえ村上に告られたりしてたよな。」
「野球部の?すごい懐かしいんですけど。よく覚えてたね。」
「忘れるわけねーじゃん。」
そう言ってタケルはその写真を元の位置に戻すと、私の唇を指でなぞってきた。
「……菜月が家族っていうの撤回。」
「え!なんで!?」
「家族だったらキス出来ない。」
「へ…?」
「エッチも出来ないし。」
するとタケルは私の手を引いて、リビングを出た。
「タケル?」
「しー。」
向かったのはタケルの部屋。
部屋に入ったところで、タケルのお母さんがバスルームから出た音が聞こえた。
静かにしろと言わんばかりに重ねられた唇。
それはちょっと強引なようでいて、とても優しく重なった。
…やっぱりタケルは柔らかくなった。
表情や仕草、そのひとつひとつに変化を感じる。
どこが?と聞かれてもそれはうまく説明出来ない。
けれど確かに感じるその変化を
寂しいと思う私は、おかしいのかな。
まだ幼い私たちは寄り添い、手をつなぎ
無邪気に笑っている。
…私はこの頃から、ずっとタケルは特別な存在だった。
胸のトキメキとかそんなのはまだわからなかった年齢だけど
隣にタケルがいると嬉しくて
手を繋げば安心出来た。
それは昔も今も、ずっと変わらないもの。
「なんかこうして見ると私たち兄妹みたい。」
「そ?」
「うん。だってお互いの思い出全部共有してるんだよ?それって本当に家族みたい。」
久しぶりの写真に見入っていると、タケルがその写真をひとつ手に取った。
「…これ、中1の時だな。」
それは中1のときの、文化祭の写真。
「俺、この時すでに菜月のこと独り占めしたくてヤバかった。」
「…そうなの?」
「そう。おまえ村上に告られたりしてたよな。」
「野球部の?すごい懐かしいんですけど。よく覚えてたね。」
「忘れるわけねーじゃん。」
そう言ってタケルはその写真を元の位置に戻すと、私の唇を指でなぞってきた。
「……菜月が家族っていうの撤回。」
「え!なんで!?」
「家族だったらキス出来ない。」
「へ…?」
「エッチも出来ないし。」
するとタケルは私の手を引いて、リビングを出た。
「タケル?」
「しー。」
向かったのはタケルの部屋。
部屋に入ったところで、タケルのお母さんがバスルームから出た音が聞こえた。
静かにしろと言わんばかりに重ねられた唇。
それはちょっと強引なようでいて、とても優しく重なった。
…やっぱりタケルは柔らかくなった。
表情や仕草、そのひとつひとつに変化を感じる。
どこが?と聞かれてもそれはうまく説明出来ない。
けれど確かに感じるその変化を
寂しいと思う私は、おかしいのかな。