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優しい愛には棘がある
第2章 Moon crater affection
週末の午前零時過ぎ、いづるは二人の育て親の寝室にいた。
昼間の格好とは打って変わった着心地のもの──…レースやリボンが至るところにあしらってあるロマンチックな洋服を脱ぎ捨てて、いづるは佐和の見立てた皇子服に身を固めていた。
アイボリーのシャツに濃紺のジャケット、黒いロングパンツというとり合わせは、化粧を変えて侠気な雰囲気を強めたかんばせに、そこそこある長身に短髪といういづるの容姿を、遠目なら女か男か甄別つかなかろう感じに仕上げる。
「あん……んっ!!ぁ、……あっ、あっあぁぁぁん……っっ……」
由多香の身体がシーツを殴る。あられもなく開いた唇が、細く甘い絶叫を夜闇に散らす。
ヘッドボードに手首を繋がれた裸体の女が、天国の門にでもまみえたごとく目をすぼめた。
いづるは由多香に跨って、物欲しげな叔母の顔を見下ろしていた。
今しがたまで抜き差ししていたバイブレーターを、とろけきった肉の泉から引き抜く。
ずちゅ…………
「ぁ……あぁっ……」
いづるは由多香の体内の匂いの絡みついた異物の先を、濡れた唇に押しつける。