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優しい愛には棘がある
第3章 Fairy land
「自業自得だわ」
「──……」
「あたしに慰めて欲しいの?」
「いつものように……」
咲優の手が、なしろのワンピースの裾をはだいた。
アシンメトリーの綿レースが、遠慮がちにまくり上げられてゆく。
ピンク色のパニエがこぼれた。白いストラップシューズの留め具が外れた。
「愚かな私を叱って下さい」
オーガンジーのクルー丈ソックスにくるまれていたなしろの足が、剥かれていった。
風に触れた足先が、咲優の舌の愛撫を受ける。
「気持ちの悪い記憶がこびりついて離れません……ですから、私の身体を、なしろ様のお好きなように……良人の感触を拭って下さい」
丹念に、物欲しげに動く咲優の舌が、なしろの意識を朧にさせる。
「良人に抱かれる時は、いつも、なしろ様の指を思い出します……なしろ様の下で喘ぎたくてたまらなくなる……ふしだらな私を叱って……」
なしろは濡れた利き足を引いて腰を上げた。
綿レースのスカートの裾が、咲優の頬をやおら撫でた。