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優しい愛には棘がある
第1章 ご注文はイケナイ遊戯
どこからか引っ張り出されてきた縄が、心咲の手首をX字に固定した。
自由をなくした両手首はそのまま頭上に釣り上げられ、二本目、三本目の縄が出てくるや、今度は開かされっぱなしだった太ももに巻きついた。そのロープの端っこは、皐月が近くの柱に結んだ。
ことこが心咲の乳房の上下に新たな縄を通した。なだらかだった丘陵が、宙に大胆に突き出た。そうして上体を羈束した縄は、心咲の肉体ごと木箱を積んだ柱に縛った。
「お待たせ、お嬢様。焦らしちまったな」
「おっ?こいつのまんこ、アルカリ臭くねぇ?」
杏の鼻先が露出した性器に近づいた。
身体はひとりでに後退したがるのに、四肢の自由を戒めたロープが、あるじの抵抗を嘲笑う。
「はぁっ、……ゃ……」
「恥ずかしいとこ丸見えで、縛られながら興奮してたんだろ。お姉さん達、そんなにあんたを濡れ濡れにする才能あるかぁ?」
ほらほら、と、せめぎ合う四人の指先が、心咲の陰部を責めたてる。
ぴちゃっ、ぴちゃ…………
陰猥な水音が、下品な笑い声の中やけに際立つ。
突然、無機質な機械音が心咲を我に返らせた。
女性達の声とは違う。割れ目が奏でる水音とも、もちろん心咲自身の吐息とも違う。機械音は、電動歯ブラシを聯想する感じがあった。