この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
一族の恥
第1章 お母さんへ
そうせな生きてゆけん女やってんけどな。
綾香のダンナは小指のないおっさんでな。
2人やりよって、まだ服役中やて。
髪が真っ白になったら出てこれるんやて。
そら、バカ笑いして酒飲まなやってられんわな。
ヴィトンとかエルメスとか衝動買いして、部屋の片隅で埃かぶらせなやってられんわな。
ぼくの通帳勝手に持ち出そうとして喧嘩になって、「金貸してくれな殺すぞ」て、台所から持ち出した出刃包丁をぼくの胸に突き付けて、そのときばかりは笑いもせず真剣に言わなな。
なぁ?
やってられんよな?
今なら冷静にそう思えるのにな。
なんで昨日は、カッとなってしもたんやろなぁ。
綾香のダンナは小指のないおっさんでな。
2人やりよって、まだ服役中やて。
髪が真っ白になったら出てこれるんやて。
そら、バカ笑いして酒飲まなやってられんわな。
ヴィトンとかエルメスとか衝動買いして、部屋の片隅で埃かぶらせなやってられんわな。
ぼくの通帳勝手に持ち出そうとして喧嘩になって、「金貸してくれな殺すぞ」て、台所から持ち出した出刃包丁をぼくの胸に突き付けて、そのときばかりは笑いもせず真剣に言わなな。
なぁ?
やってられんよな?
今なら冷静にそう思えるのにな。
なんで昨日は、カッとなってしもたんやろなぁ。