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第1章 お母さんへ

　ぼくが買ってやった服も知らん間に血で汚れとったな。

　アメリカ生まれの世界的に有名なつがいのネズミがどでかくプリントされた服やってんけど、上手いこと顔んとこに鼻血出してるみたいにして汚れてもーててな。

　血液って洗濯しても落ちへんのよなぁ。
　なんかな、生臭い感じの、茶色い染みが残るんよ。

　せやからぼくな、床の上で顔じゅう血まみれになってるアンナを見てな。



　こいつ、外に着てく服、なくなってもーたなぁ。
　て思ったんよ。



　そんときやろか。
　ぼくがお母さんに手紙を書こうて、ハッキリ思ったんは。