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一族の恥
第1章 お母さんへ
どれくらい寝てたんかな。
目を開けたとき、アンナの腹はまだ静かに上下しとった。
人間って、案外生命力強いからなあ。
なんぼ顔がぶくぶくになるまでどついたったからって、それくらいで死ぬはずないねんけど、ぼく、正直がっかりした。
勝手に死んでくれてたらよかったのにって。
どんなけ、ぼくが寝てる間に動かんくなってくれてたらよかったのにって思ったか分からん。
けど、まだ生きとったんや。
仕方のないことや。
ぼくな、煙草もう一本だけ吸ってから、大きく深呼吸して、それから立ち上がった。
アンナは腫れ上がった紫色の唇から、静かに寝息を立てとった。
ぼくはアンナが眠りから醒めんようゆっくり板間を踏みしめて、血ぃ流して転がってる耄碌ババアの体から包丁をゆっくり抜き取って、それからそっとアンナに近付いて、アンナが目ぇ醒まさんと、眠ったままでおれるように、心臓に狙いつけて、刃先突きつけて、ひとつ息をついてから、全体重かけて床にまで突き刺さすくらいの勢いで、一気にブッ刺したったんよ。
ほしたらアンナの腹、動かんくなった。
時間見たら、仕事出なあかん時間になってもーてたからな。
シャワー浴びて、いつもと同じように出勤したんや。
目を開けたとき、アンナの腹はまだ静かに上下しとった。
人間って、案外生命力強いからなあ。
なんぼ顔がぶくぶくになるまでどついたったからって、それくらいで死ぬはずないねんけど、ぼく、正直がっかりした。
勝手に死んでくれてたらよかったのにって。
どんなけ、ぼくが寝てる間に動かんくなってくれてたらよかったのにって思ったか分からん。
けど、まだ生きとったんや。
仕方のないことや。
ぼくな、煙草もう一本だけ吸ってから、大きく深呼吸して、それから立ち上がった。
アンナは腫れ上がった紫色の唇から、静かに寝息を立てとった。
ぼくはアンナが眠りから醒めんようゆっくり板間を踏みしめて、血ぃ流して転がってる耄碌ババアの体から包丁をゆっくり抜き取って、それからそっとアンナに近付いて、アンナが目ぇ醒まさんと、眠ったままでおれるように、心臓に狙いつけて、刃先突きつけて、ひとつ息をついてから、全体重かけて床にまで突き刺さすくらいの勢いで、一気にブッ刺したったんよ。
ほしたらアンナの腹、動かんくなった。
時間見たら、仕事出なあかん時間になってもーてたからな。
シャワー浴びて、いつもと同じように出勤したんや。