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一族の恥
第1章 お母さんへ
真っ赤な目ぇした綾香は、最後にこう言うてたわ。
「頼むから、そのお金貸してよ!
金貸してくれな死ぬしかないんよ!
保険金がどうこう言うて・・・わかるやろ?
なんとかして金工面せな、アンナと首吊るしかないんよ。
首吊るみたいなふうにして、首絞められるしかないんよ!
なあ、そのお金、貸して!
もうほかに男なんかつくらんから、な? お願い・・・
どうせ嫁はあんたとなんか・・・
か弱い女むりやりいてこまして殺しかけたよーな男と、ヨリ戻すかいな!
・・・・なんよ、刺すの!?
どーせあんたは和夫と違って性根はびびりやから、よお殺せへんくせに!
ほら!
やれるもんならやってみぃ!
刺せるモンなら刺してみいや!」
ぼくが向けてる包丁の刃先から逃れようと太い腹を精一杯へっこまして、逃げ場のない壁際に目いっぱい背中貼り付けて、ジリジリ爪先立ちなって、顔中から汗垂らして、それでもなお自分のが5歳年上やからぼくにナメられたくないゆう虚勢張った、必死の形相でな。
「頼むから、そのお金貸してよ!
金貸してくれな死ぬしかないんよ!
保険金がどうこう言うて・・・わかるやろ?
なんとかして金工面せな、アンナと首吊るしかないんよ。
首吊るみたいなふうにして、首絞められるしかないんよ!
なあ、そのお金、貸して!
もうほかに男なんかつくらんから、な? お願い・・・
どうせ嫁はあんたとなんか・・・
か弱い女むりやりいてこまして殺しかけたよーな男と、ヨリ戻すかいな!
・・・・なんよ、刺すの!?
どーせあんたは和夫と違って性根はびびりやから、よお殺せへんくせに!
ほら!
やれるもんならやってみぃ!
刺せるモンなら刺してみいや!」
ぼくが向けてる包丁の刃先から逃れようと太い腹を精一杯へっこまして、逃げ場のない壁際に目いっぱい背中貼り付けて、ジリジリ爪先立ちなって、顔中から汗垂らして、それでもなお自分のが5歳年上やからぼくにナメられたくないゆう虚勢張った、必死の形相でな。