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一族の恥
第1章 お母さんへ
 せやから、ええ眺めやったで。



 里奈子はほんま、母親のツラしとん。
 菩薩さんみたいな笑顔でな、自分の腕の中ででかい図体を窮屈そうに丸めてる康生の髪をな、優しく撫でてんねん。



 康生もな、なんも出やんはずの里奈子のチチ吸ってな、ときどき不安そーな顔で里奈子を見上げんねん。



 ほしたら里奈子が俺に聞こえへんようちっさい声でな、「だいじょうぶ、お母さんおるよ」って言うねん。


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