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一族の恥
第1章 お母さんへ
 夕暮れ時やってんけどな。
 公園の中を歩いとってんやん。
 オレンジ色の夕日が、紅葉の落ちた寂しい木の枝の隙間からぼくの顔に差し込んで眩しかったんよ。
 眩しくて、むかついたんよ。


 べしゃ、って音がしたんや。


 気付いたら、夕日の中に里奈子の姿がなかった。
 見れば、俺の足元で里奈子が砂だらけになって蹲ってた。



 ぼくが里奈子を殴ったんやって気付いたのはあとになってからやった。







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