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一族の恥
第1章 お母さんへ
 なんとなく、里奈子の人生がややこしそうなんには、気付いてた。
 けど、うちもお父さんが不倫したり、酒飲んでお母さんをどつくから、それで別居してたわけやし。
 お互いに、あんまり干渉せんようにしとってんで。


 里奈子は真夏でも長袖ブラウス着てたし、学年主任になんべんも「スカート丈が長すぎる」て呼び出されても丈を直さんかった。
 それくらい肌を露出することを極端に嫌ってた。
 せやから必要以上に里奈子に触ることをぼくはせんかった。
 それが愛情やって、ぼくは信じてたから。


 そう信じてたから。
 里奈子から、泣きながら電話あったときはな。
 3年の2学期の終わりや、ぼくが引退したあとのな。
 付き合いはじめて1年が経ってた、あの夜や。

 あれはもうなぁ、なんて言うたらええんやろなぁ。
 「ショック」とかそういう言葉じゃ表現でけへん気持ちになったな。
 きっと父親が大事な娘を誰かにレイプされたて聞いたらこんな気持ちになるんやろなぁって、そう思ったな。


 だって電話口の向こうで里奈子が、


「だいちゃんごめん。今まで黙っててごめん。里奈子な、小さいときからお兄ちゃんに犯されとってん。だいちゃんと付き合いはじめてからも、なんべんも、先々月も・・・あんとき、お兄ちゃんが家に帰ってきてて、夜寝てるとき、鍵つけてたのに壊されて、嫌がったけど、どーしても敵わんかってん」


 言うて、泣いててんからな。


「また妊娠してしまった」て。
「またお兄ちゃんの子供を」て。
「もう嫌や」て、繰り返してな。



 お母さん。
 男と女ゆうもんはな。
 付き合ったら、愛し合ったら、いつかは服脱がなあかん日がくるやろ?


 けどな、ぼくらはな、とゆうか、ぼくは・・・
 べつに、里奈子を裸にしたいって気持ちは、なかってん。
 身体気持ちよくなりたいならオナニーでじゅうぶんやん?
 ぼくだけは里奈子を性の対象にしたくなかったんや。
 守ってやりたかったんや。
 せやからぼくな。

 
「里奈子が笑ってくれたらいい」なんて、そんなことを、子供みたいに、本気で想ってたんよな。
「自分だけは里奈子を大切にして、幸せにしてやりたい」てな。
 
 

 公園でぼくが里奈子をどついて、公衆便所に連れ込んだ、あの日まではな。


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