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一族の恥
第1章 お母さんへ
 里奈子には今も言うてへんけどな。
 里奈子のケータイから勝手にメール送って、約束を取り付けたんや。

 

 京橋で待ち合わせした。
 里奈子から、乗り換えの駅やて聞いてたからな。


 JRのほうで、ぼくは待ってた。
 待ち合わせの3分前や、京阪のほうから兄貴は来たわ。
 すぐ分かった。
 あんなでかいの、街中ではなかなか見かけんからな。


 あの日はなんせ、暑かった。
 兄貴は体育会系丸出しの短い髪を汗で濡らしてな、髭伸ばしたいかつい不機嫌そーなツラで、カンタベリーのTシャツとハーパン身に着けた格好で、2,3回あたりをきょろきょろして、舌打ちしてからポケットからケータイ取り出したんや。
  

 せやからぼくな、駆けてって、ぎょっとしたツラしてる兄貴の前まで行って、「裕太さんですか」て声かけたわけ。


 裕太のやつな、「は?」ゆうて目をパチパチさせとった。
 まごうことなき一重や。
 里奈子の目とよお似とった。


 ぼくな、裕太に「自分、里奈子のツレです。話があってきました」ゆうたんや。
 夕方やったから、人がひっきりなしに行き来しとった。
 垣根のとこでホームレスがへばってた。
 裕太は一瞬表情を曇らせたけど、すぐ、笑ったんや。
 いかつい顔がくしゃって崩れてな、子供みたいなツラになった。
 

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