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一族の恥
第1章 お母さんへ
 裕太はぼくを居酒屋に連れ込んでな、酒奢ってくれた。
 なんでも食うてええぞ言うから、メニューの端から端まで頼んだった。
 5リットルは飲んだな、最後、初対面やのに頭どつかれたわ。


 裕太は里奈子の話はせんなんだ。
 代わりに、受け持ちのクラスの話とか、顧問の話とか、そんなんされた。
 来る前、保護者に電話で1時間怒鳴られーので説教された言うてたわ。
 胃潰瘍できてるゆうて、酒は一滴も飲まんかった。
 明日も朝から練習で、休みなんかない、とも言うてたな。

 途中、嫁さんから電話きて、素っ気無い態度で一言二言なんか会話してた。
 電話口のうしろからちっさい子供の声が聞こえた。
 

 おもろい人やったで。
 ふつうにアホなこと言うし、ふつうに下ネタも言うし、ふつうに、子供の話もするし。


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