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一族の恥
第1章 お母さんへ
 ぼくな、里奈子をぼくの腕んなかに入れて、耳に唇くっつけて、聞いてへんの分かってたけど、言うたんや。

「好きや」て。

 ほんなら、腕んなかの里奈子がからだ捩ってな。
 里奈子からキスしてきてん。
 自分から舌入れてきよってな。

 いっぺん身体離して、康生が起きんように静かに里奈子のパンツ下ろしたら、マンコからは血が出とった。
 内側にあててたやつにもべっとりついとったわ。

 チンコ押し当てたら、里奈子は目ぇ瞑ったまんまちっさいこえで「あかん」言いよった。
 けど、腰を落としたらすぐ、背中仰け反らせて声上げたわ。
 

 痛かったんかなぁ。 
 そら、子宮んなか棒で掻き回されるような、赤ちゃん殺す手術受けたばっかやってんから、痛かったやろな。
 里奈子は目も開けんと、泣いとったな。
 ずっとぼくの身体にしがみついて、苦しそうに泣いとった。


 でも血と汁が混じってぐっちょぐちょになったマンコでな、じきに自分で腰を振り出してな。
 しきりにぼくにキスしてな、ハッハッて息して、「お兄ちゃん」言うて、しがみついてきたわ。


「お兄ちゃんは悪くないで、何も悪くないで、里奈子だけは知ってるで、だいじょうぶやから、泣かんでええから、おねがいやから、里奈子だけはお兄ちゃんのこと愛してるから、やから、もう、中には出さんといて、おねがい、もう人を殺すのは嫌や、おねがい里奈子を信じて、中には出さんといておねがい、もう加害者にはなりたくない」


 そんなことを、言いながらな。


 ぼくは射精したんかな、せえへんかったんかな。
 もう、覚えてへんわ。


 次の朝目ぇ醒めたら、里奈子が台所でメシつくってくれとるとこやった。
 冷蔵庫んなかの肉全部使うような、そんな感じのな。


「いっぱい食べてもっと、大きくなってな、だいちゃん」言うて、ぼくがメシ食うてんの幸せそーに見つめながらな。






 
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