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一族の恥
第1章 お母さんへ
 今度は康生が里奈子を自分の腕の中に入れて、里奈子の身体弄ってんのが分かった。
 だって、里奈子の息が荒くなってくのが聞こえんねんもん。
 服の下に手ぇ差し込まれて、乱暴にチチを揉まれてる様子が、伝わってくんねん。


 里奈子は「いや」って繰り返してたな。
 康生の髪は知らん間に短く切るようになったんか、ほとんど坊主みたいな頭やった。
 ちょうど、裕太みたいな髪型や。


 里奈子が股を広げたとき、脚がぼくの尻に当たった。
 やのに尻の上に脚をまたぐようにして、乗っけてきたわ。
 里奈子の息遣いが、康生の腰の動きといっしょにぼくのからだに響くねん。


 里奈子は感じとった。
「こうちゃん、やめて」って言いながら、必死に感じとったわ。


 康生がな、里奈子の腕を掴んで、頭の上に引き上げたんよ。
 ぼくの後頭部に肘が当たってな。
 当てたまま、康生は里奈子の傷だらけの腕を、舐めとった。
 脇から舐め上げるようにしてな、唾液たっぷり含んだ舌で、なんべんもなんべんもな。
 ぼくの鼻にも康生の唾液の匂いが届いたわ。


 康生は里奈子の頬に自分の顔を擦り付けて「お母さん」って呼びながら、だんだん腰の動きを早めていった。
 里奈子が「あかん、ほんまにあかん、こうちゃん!」って言うまで、ぎりぎりまでな。

 康生はしょぼくれた声で「だって」とか言いながら身体起こして、どっか行って、向こうのほうで扉の音がして、また足音が近付いてきて、里奈子の上に戻ってきた。
 康生の手からペリリって何かを破く乾いた音が聞こえて、それが康生の身体のどこかにくっつく音がして、もっぺん、康生は里奈子を腕の中に入れた。
「わかった、あと1年我慢する」言いながらな。


 掛け布団が擦れる音は、どれくらい続いたんやろなぁ。

 ぼくにはもう、分からんかったわ。


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