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星の島で恋をした【完結】
第24章 《二十四》
そういって、リクハルドは苦しそうに顔を歪め、だけど視線を逸らさずに続けた。
「運命に定められた相手と結ばれることに対して、俺が悩まなかったとでも思うのか?」
「……………………」
「冷たくしたらセルマから離れてくれるかと思った。嫌になるくらい惹かれているのに、それは自分の意志と関係ないところで、そう、セルマが嫌がったように使命としてなら、それはセルマに失礼だと思った」
リクハルドはリクハルドで悩んでいたと知り、セルマはなんだかホッとした。
「ユルヤナの血はほんと厄介で、カティヤを見ていても分かると思うけど、アステリ持ちに激しく惹かれるんだ。俺はそれが嫌で、ここに引きこもっている」
引きこもっている理由を知り、セルマは笑った。
「笑い事じゃない」
「でも」
「うん」
「リクハルドも同じように悩んでくれたって知って、嬉しい」
「……あぁ、もうっ! セルマのその一言がどれだけ嬉しいか、分かるかっ?」
「わかんない」
リクハルドは目を細めて、セルマを愛おしそうに見つめた。
「最初、セルマに惹かれたのは、確かにユルヤナの一族の使命でだった。俺はそれが嫌で、抗った。だけどセルマはそうやって俺を喜ばせるから……使命とは違う部分で強く惹かれたんだ」
「……そう、だったんだ」
セルマのどの態度がリクハルドにとって嬉しかったのかは分からなかったけれど、使命とは違う部分でセルマに惹かれたと知り、セルマの気持ちはかなり軽くなった。
「最初の態度がひどかったから、リクハルドのこと、すごく嫌だった」
「……うん」
「でも……気がついたら、リクハルドに……その、恋……して、た」
「運命に定められた相手と結ばれることに対して、俺が悩まなかったとでも思うのか?」
「……………………」
「冷たくしたらセルマから離れてくれるかと思った。嫌になるくらい惹かれているのに、それは自分の意志と関係ないところで、そう、セルマが嫌がったように使命としてなら、それはセルマに失礼だと思った」
リクハルドはリクハルドで悩んでいたと知り、セルマはなんだかホッとした。
「ユルヤナの血はほんと厄介で、カティヤを見ていても分かると思うけど、アステリ持ちに激しく惹かれるんだ。俺はそれが嫌で、ここに引きこもっている」
引きこもっている理由を知り、セルマは笑った。
「笑い事じゃない」
「でも」
「うん」
「リクハルドも同じように悩んでくれたって知って、嬉しい」
「……あぁ、もうっ! セルマのその一言がどれだけ嬉しいか、分かるかっ?」
「わかんない」
リクハルドは目を細めて、セルマを愛おしそうに見つめた。
「最初、セルマに惹かれたのは、確かにユルヤナの一族の使命でだった。俺はそれが嫌で、抗った。だけどセルマはそうやって俺を喜ばせるから……使命とは違う部分で強く惹かれたんだ」
「……そう、だったんだ」
セルマのどの態度がリクハルドにとって嬉しかったのかは分からなかったけれど、使命とは違う部分でセルマに惹かれたと知り、セルマの気持ちはかなり軽くなった。
「最初の態度がひどかったから、リクハルドのこと、すごく嫌だった」
「……うん」
「でも……気がついたら、リクハルドに……その、恋……して、た」