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全てが終わったとき、俺は変わらず君に恋をしているだろうか
第1章 藍は香る
この洞穴は冒険者達が森の中で一時的に休息をするための簡易キャンプとなっている。
毛布や焚き火用の薪、その他即時回復用のポーションなどが街の有志によって常備されいているのだ。
シラハは洞穴に入るや手際よく焚き火を作り、上着を脱いで水分を搾り出した後で壁の端と端から張られている縄にかけた。
「おい、何をぼーっと突っ立ってるんだ。風邪でも引いたらどうする」
「あ、や……」
何故か洞穴の入り口に立ち尽くしているラズリア。水分を存分に含んだフードマントもそのままに奥に入ってこようともしない。
「こっちに来てあたたまれ」
「あ、だめ……ひ、ひっぱらないでください……あっ!」
ラズリアを火の近くに招かんと、シラハが彼女の腕を引いた瞬間、その白いケープマントがラズリアの身からずるりと剥がれ落ちた。
「早くこっちに――……」
再度招いたシラハだったが、明らかになったラズリアの姿を前に閉口してしまった。
年は16歳ほどであろうか。セミロングの艶やかな藍色の髪、怯えを示すように潤むオリエンタルブルーの瞳。白磁の肌に映える赤く染まった頬はなんとも愛らしい。
ラズリアが身にまとう布地の薄いブラジャー風のトップスと、それと同じ布地で作られた深いスリットの入ったロングスカートはなんとも幻想的なデザインで、シラハに儚さを連想させた。
しかしいかんせん露出度が高い。腹部はほとんど素肌を晒しており、ほどよく括れた柳腰が豊満な胸と尻を更に助長させている。
妖艶にして可憐。よもや存在自体が奇跡なのではないかというほどの美少女。
あまりの美しさに、シラハはしばしラズリアに見とれ続け言葉を失い、髪から滴る水を拭うことすら忘れていた。