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激情パラドックス
第8章 恋の都パリ
「でもそれがいけなかったんだって解らされたんだ。独りになって三ヶ月、いろいろ考えた挙句、めんどくさがりの俺らしくもない行動でこの一人旅を決めてさ」
「うんうん」
「……で、俺らしくもない、自分から好きになった子ができてさ……」
今日、決めるしかないんだ。ちゃんと俺から言わなくちゃ。
「えっ……、そうなんだ……?パリで?会ったの?」
「いや、飛行機で」
「……!」
「俺、初めて自分から女に惚れた。七瀬が好きだ」
よしっ……、言えたぞ……!
「えっ!?……えーと、……びっくり」
「告白したのも、初めて。これが」
「え……、ちょっとそれ……、嬉しい」

嬉しい、と言う七瀬の頬が赤らんでいるのは、照れているからなのか、ワインのせいなのか。ひとまず安心した。

「出会って数日だし、すぐに答えを出してとは言わない。七瀬もまだつらい時期だろうし。でも俺……、七瀬ならいつまでも待てるよ。だから俺とのこと……考えてみて欲しい」

本当に我ながら、どうしたんだよ俺!って感じだ。

「ありがとう……。実は私も、大和のこと気になって仕方なくて……、でもきっとまたさよならすることになるんじゃないか、ふられることになるんじゃないか……って思ったら、怖くて怖くて……。まだ、恋をするのが、怖いんだ……」
あああくそっ、可愛くて堪らない。
「俺がその不安を全部取り除きたい。時間がかかってもいい。俺のこと……信じてみない?」
「……うん。ありがとう」

それから七瀬は俺に携帯の連絡先と、案外近かった宿泊ホテルを教えてくれた。この日が三日目で、旅は残り二日しかない。この二日間、ずっと一緒に観光をした。バスツアーで一緒にヴェルサイユ宮殿まで行ったり、エッフェル塔に登ったり。俺は気を遣って、一切手を出さなかった。何かを買ってやったりもしなかった。街なかではキスするカップルを横目に、手を繋いだぐらいでキスすらしていない。身体目当てだと思われたくないし、重たいとも思われたくない。

そして俺達は、最後の夜を迎えた。
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