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花咲く夜に
第5章 交錯
『……そうだったのか』

『そうだよ?(笑)
アハハハ、ほら。
興味無かったでしょ、
あたしに』

高校は、
郵便局がある町から更に2つ隣町にある共学の普通科だった。俺はバス通だった。

1学年が6クラスあった。ほとんどが地元の子ばかりで、
俺は高校からコッチに戻ったし……
知り合いも居なくて、
適当に気が合う連中とつるんでいた。

『……あたしに、ってか誰にも興味無かったよね?
ビックリしたんだ、
さっき。
顔はあんまり変わってないのに、
人が違うみたいだったから』

あ、良い意味でだよ?と付け足してミルクティーを啜る。

『……俺、
分かり辛いし下手だよね』
『うん。
何、自覚は出来たのね(笑)今だから言うけど。
あの頃は怖くて不安だったよ、あたし』

『どんなことが?』

『……必要とされてるかな?とか〜、
好かれてるのかな〜、
これって付き合ってるのかな?って。
貴斗くん真面目だし、
男子とばかり居てチャラチャラしてなかったから浮気は疑ってなかったけど』


『………そっか。
なぁ。そういう事って言葉にしないと分からないものなの?』

『そりゃー、たまには。
エスパーじゃないんだからね。
ウチの旦那はね、………』

唯ちゃんは旦那さんとの馴れ初めから「猛アプローチ」、毎日好き好きコールがあるのだと散々ノロケた。

……幸せそうだな……
肌が艶々して、
輝いている。

ブレザーにチェックのスカートに赤いリボンの制服だった唯ちゃんと、
目の前に居るのは同一人物なんだな。

………強く愛されたら、
こんな風にキラキラ輝くのかな。
めぐるも………
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