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花咲く夜に
第8章 旅立
――――――――――――
白い、雲のようなふわふわしたものが辺りに浮いている。
めぐるは、
貴斗を探していた。。
『ねぇ?何処にいるの?
ねぇっ……』
不安な気持ちで、
雲の中をさまよう。
『………あっ、
あれ……』
遠くで誰かが居る。
めぐるにはそれが貴斗だと分かった。
『居た!
やっと、見つけた………』
走り出して近寄っていく。
貴斗は、
穏やかに笑いながら光の塊を手に抱えていた。
安堵感が広がる。
めぐるはその光に吸い寄せられるように走る。
近づき、
貴斗が光をめぐるに手渡した。
温かい。
なんだろう、この安心感………………
〔――――大丈夫よ。
わたしはもう1人じゃないわ。
あなたとずっと一緒よ………〕
めぐるとも誰ともつかない女性の声が舞う。
温かさに包まれ、
めぐるは貴斗に抱き着いた。
〔大丈夫。
だいじょうぶだよ……………………〕
声は穏やかに優しく、
いつまでもいつまでもめぐるを包み込んだ。
めぐるは目を開いた。