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花咲く夜に
第5章 交錯
午後になり、
貴斗のスマホに優から着信が入った。


『もしもし?』
苛ついた声を抑えもせず、出た。

『お?
どしたの貴斗。
あのさ、井手郵便局から連絡あったんだけどさ』

『うん(苛々声)』

『俺がこんな状態だろ?
人手足りなくてさ。
もし家の仕事が時期的に余裕あるなら、週4日くらい出てくれないかな?』


『んん?
何それ、俺で構わないわけ?』


『お前は前に居たじゃんか。
だから局長から「訊いておけ」って連絡あったんだよ』

貴斗は脳内にあるブロッコリーの栽培予定表と牛舎の段取りを瞬時にチェックした。

(ブロッコリーは水やりと肥料と……
朝夕のビニール掛け程度。牛舎は出荷は無いしな……………)

『分かった。
週4で良いんだな?
出るよ』


『本当か?
あー良かった。
局長に伝えとくから。
……あっ。
めぐるちゃんて元気??』

イライラの対象人物の名を出されてムッとした。

『……知らね。
元気なんじゃねぇの。
昨日見舞い行ったじゃんか』

『い、いや……
元気なら良いんだ。
じゃ、局長から連絡するように頼んでおくから』

TELは切れた。
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