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魂喰い姫〜コンクイヒメ〜
第1章 魂を喰らう
そしてまたがくりと前に倒れ、
起き上がると袋を吸う。
吸い上げて、吸い尽くすと玉袋は身体から離脱する。
それを娘は呑みこむだけ………
一つ、二つと呑み込んでしまうと意識を失い涙を流して倒れている結に自分の着物を着せた。
娘は薄闇と靄の中へと姿を消した………
――――眼を開いた結は、首と袋が無い嘉風の身体を見て『だから止めろと言うたのに………』
と呟く。
結の唇は朱に染まり始めていた。
夜が明ける時刻のようだ。ゆらゆらと歩きだし、
結は蓮の村へと帰路につく。
蓮の村ではえんえんと『物の怪ではないか』
『嘉風までもやられるとは』
『しかし結には正体がつかめんかったんじゃろう』
『おそろしい………』
噂ばかりが流れたが、
ひと月に一度…若い男の屍が見付かり袋が二つとも消えているという……。
終
起き上がると袋を吸う。
吸い上げて、吸い尽くすと玉袋は身体から離脱する。
それを娘は呑みこむだけ………
一つ、二つと呑み込んでしまうと意識を失い涙を流して倒れている結に自分の着物を着せた。
娘は薄闇と靄の中へと姿を消した………
――――眼を開いた結は、首と袋が無い嘉風の身体を見て『だから止めろと言うたのに………』
と呟く。
結の唇は朱に染まり始めていた。
夜が明ける時刻のようだ。ゆらゆらと歩きだし、
結は蓮の村へと帰路につく。
蓮の村ではえんえんと『物の怪ではないか』
『嘉風までもやられるとは』
『しかし結には正体がつかめんかったんじゃろう』
『おそろしい………』
噂ばかりが流れたが、
ひと月に一度…若い男の屍が見付かり袋が二つとも消えているという……。
終