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魂喰い姫〜コンクイヒメ〜
第2章 吸い奪う
少女はトボトボ歩いていた。年の頃は12といったところか。

ショートパンツからスラリと伸びた脚と、
あどけない一重まぶたの小さな顔がアンバランス。
成長期を表している。
背中で揺れるランドセル。


靡く真っ黒な長い髪。



夕刻、辺りは既に闇が支配しつつある。



少女はブツブツと一人喋る。

「バカのくせに、キモイ、うざい、バカのくせに、キモイ、キモイ、うざい、バカじゃね?、キモイ………」


目は虚ろ。俯き加減の少女は、
自分を虐げるクラスメイトからの罵声を繰り返し繰り返し呟いていた。

辛いなどという感情はとうの昔に潰れてしまった。

壊れたからくり人形のように、、、
ブツブツ呟くだけ。


カァーッ

ギャアギャア


_______カラスが啼(な)く。



少女の目の前に黒い渦が巻いた。



「バカのくせに、キモイ、うざい、キモイ、うざい」


渦は次第に大きく巻いて台風の目のようにゴゴゴ……………………と唸る。


少女は虚ろな表情のまま、
その黒い渦に入っていった。



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