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魂喰い姫〜コンクイヒメ〜
第3章 取り戻し姫
『よし、では遣いを出そう。
明後日の晩だからな!
たしか41の王子は12だか11だかになったばかりのはず。
娘が興味を持てば良いが』
王様はそう言うと、
さらさらと手紙を書き家来に言付けた。
ばあやは安堵し、
よっこらしょと腰を浮かせると「失礼致しました」と頭を下げ部屋を出た。
安穏とした時代。
ばあやは(自分の幼少期には考えられないことだわ)と思う。
50年前は、
毎日戦があった。
食べ物もなく、
痩せ細った餓鬼だった。
思い出したくもない。
悪鬼と化した人間たちの奪い合い。
男は戦場に赴いて死に、
女は戦に紛れて死んだ。
天下が統一し、
1179国が落ち着き泰平の世が訪れた。
ばあやは鏡に映った自分をふと見た。
シワシワの手に、
64より老けて見える総白髪。無造作に縛っている。
鼻が飛び出ており魔女のようだ。
_____王様も戦乱の後に生まれたから、
どこかのんびり感が否めない。
妃様もゆったりと構えている。
『____あや!
ばあや~』
姫様の声でハッとした。
爛爛と目を光らせ、
駆けてくる。
その姿は少年のようにわんぱくだ。
『どうされました、姫様?』
『ほら!
貝を繋げてみたら素敵なネックレスができたの!』
見ると糸に貝を通して連ねたものが姫様の掌にある。
ばあやは、
『お美しいこと。
首に巻きましょうか』と貝を触る。
『だめよ!
これはばあやへのプレゼントなんだから!』
姫様はそう言うと、
ばあやの首に巻きつけた。
じゃらじゃらと鳴る。
明後日の晩だからな!
たしか41の王子は12だか11だかになったばかりのはず。
娘が興味を持てば良いが』
王様はそう言うと、
さらさらと手紙を書き家来に言付けた。
ばあやは安堵し、
よっこらしょと腰を浮かせると「失礼致しました」と頭を下げ部屋を出た。
安穏とした時代。
ばあやは(自分の幼少期には考えられないことだわ)と思う。
50年前は、
毎日戦があった。
食べ物もなく、
痩せ細った餓鬼だった。
思い出したくもない。
悪鬼と化した人間たちの奪い合い。
男は戦場に赴いて死に、
女は戦に紛れて死んだ。
天下が統一し、
1179国が落ち着き泰平の世が訪れた。
ばあやは鏡に映った自分をふと見た。
シワシワの手に、
64より老けて見える総白髪。無造作に縛っている。
鼻が飛び出ており魔女のようだ。
_____王様も戦乱の後に生まれたから、
どこかのんびり感が否めない。
妃様もゆったりと構えている。
『____あや!
ばあや~』
姫様の声でハッとした。
爛爛と目を光らせ、
駆けてくる。
その姿は少年のようにわんぱくだ。
『どうされました、姫様?』
『ほら!
貝を繋げてみたら素敵なネックレスができたの!』
見ると糸に貝を通して連ねたものが姫様の掌にある。
ばあやは、
『お美しいこと。
首に巻きましょうか』と貝を触る。
『だめよ!
これはばあやへのプレゼントなんだから!』
姫様はそう言うと、
ばあやの首に巻きつけた。
じゃらじゃらと鳴る。