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第4章 その4

俺は嫁と娘がいる畠山を少し羨ましく思った。


―――そして土曜日。
休みだったのでゆっくり寝てから洗濯や掃除をまとめて片す。

夕方家を出て駅前へと急いだ。


１時間まえ、俺はジーンズ・長袖Tシャツの上にシャツを羽織って鏡の前で『これでいいかな…』
『いや、あっちのシャツのが清潔感あるよな』とイロイロ着替えてみたのだ。。
ファッションセンスなどあるわけがない。
けれど綾加と会うときは、少しでも彼女に見合う男になりたくて…
通販カタログのモデルを見ながら似たような模様のを手持ちの中から選んで着てみた。

靴は、
茶色い皮靴にした。

イロイロしてみたら、
洋服とは難しいものだ…………


佐田綾加は既に来て待っていた。
『遅れてしまって申し訳ありません！』
『いえいえ、今来たところですから。大丈夫ですよ』
綾加は、
シフォンのチュニックに膝までのピタリとした白いパンツ。
カーディガンを羽織り、
靴は赤いヒールを履いている。
膝下がスラリと美しく、
色白でドキッとした。

――爽やかな初夏らしいスタイルだな。
『綾加さん、洋服よく似合ってますね。
優しい表情にフワフワの服が合ってます』


『あらっ、やだっ恥ずかしい……』綾加は首まで真っ赤になる。
『田川さんお上手ですね(笑)田川さんこそ、
薄紫色のシャツが落ち着いてて……田川さんらしいですよ』
失礼します…と手が伸びてきてびっくりした。
『衿が……内側に折れてますわ』と直してくれる。


『あ、ありがとう……
さて、行きましょうか』

『はい。楽しみです♪』

2人並んで店へと向かう。
暖かい風が気持ち良い。