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第3章 その3

『お叱り………？』
何か言ったっけな……
思い浮かばない。


『はい。
「体調不良のときくらいは休むべきだ、良くなってからまた頑張ればいいんです」と……。
当旅館、最低限のスタッフのみで回しております。
体調不良で休むスタッフもいまして、
「私が頑張らないと」と常々言い聞かせて参りました。
それで倒れてしまったなら本末転倒ですものね。

……すごく、
身に沁みたのです。

ありがとうございました』

深々と頭を下げるゆり。



『俺は何もしてません……、
ただ当然のことを言っただけで』

『当然、が忘れがちなことなんですわ、きっと。』


ゆりから礼を言われてると、
何やら嬉しくて気恥ずかしい………