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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第6章 禁断の恋
以前この人は、仕事と子育てに忙しいと言っていた。
もっと毎日長電話をしたいと我が侭を言ってみたところ、それは出来ないのだと。
電話は職場から自宅に帰る途中のビデオボックスからしか掛けられないらしいし、それ以外は終電を逃したときのビジネスホテルからくらいなのだとか。
さすがに自宅じゃ無理かって、察しはした。
子育てってことは、お嫁さんがいる。
いなくても、子供が近くにいるところで、私と自慰行為なんて出来ないと。
それは八反田さんにより似せる為についた嘘か誠かは見当が付かない。
兎に角、毎日が大変なんだと言っていたのも印象的だった。
束の間の休息、その30分程度を私に使っているのだと。

「……さて、そろそろ帰らないと」

私がどうでもいい話をしている間に、いつもその大事な30分が経過してしまうのはここ最近ではよくあること。
出来ればもっとやらしい話もしたいんだけど……。

「ごめんなさい……。つまんない話ばかりで……」

「そんなことはないよ。気にしないでいいから」

「あの、私と……もっとエッチな会話、したいですよね?本当にごめんなさい。いつも気遣いできなくて……」

「気遣い?何言ってるんだ。そんなものは、気遣いとは言わない。女性は……特にみゆりみたいな女の子が男に対してやらしいことをしなくちゃならないなんて、思う必要はどこにもない」

「……いつも優しいですね。そう言ってくれると安心します。でも性欲、抑えられたりするんですか?もし私が、もうこれからエッチなことはなしって言ったら、どうするんですか?」

「まあ、勿論男だし、したい気持ちもあるけれど、それが全てじゃないよ。無くていいとも思ってる。話をするだけでも充分なんだ」

「そう……なんですか?男の人って、気に入った女の人に、だいたいやらしい妄想してるイメージしかないから、なんだか不思議な気分です」

「それは心外だな。好きな相手をとことん思い遣る男もいるよ」

――好きな相手、だって。
つまり私は、ちゃんとその好きな相手?
意地悪したい訳じゃなく、聞いてしまいたくなるのは人の本能。

「それって私のこと、好きってことですか?」

「今さら何言ってんだよ。じゃなきゃ、こんなに頻繁に電話したりしない」
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