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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第6章 禁断の恋
「や、やだ!お兄ちゃん!!なんでイキナリ帰ってくるの!?」
「そんなのみゆりに逢いたくなったからに決まってんだろ?」
「嘘だよ!去年だって一度も帰ってこなかったのに!!」
「確かにそうだったなぁ。でもオレの言うこと素直に聞いて、みゆりが芸能事務所に無事所属したのは知ってたんだぜぇ。更に今年からはちゃんとユニットメンバーとして売り出されてるそうじゃねぇか。俺が知らないとでも思ったか?」
お兄ちゃんは女の子達が喜びそうなサラサラの金髪を揺らして私に近づいた。
一歩、また一歩とにじり寄ってくる程に不敵な笑みがはっきりと見えてくる。
私は布団をかぶって、お兄ちゃんから身を守るようにベッドに立て籠もった。
だけどお兄ちゃんは私の横に転がっていたスマホを手にするなり画面を覗いた。
「みゆりちゃん?大丈夫!?」
そんなあの人の心配する声が聞こえたけど、私は震える躰で怯えるしか出来なかった。
「へぇ、みゆりの彼氏って、マジでお前なのか。面白ぇ。昔、俺のこと好きだったから、もっとイケメンが好きなんだと思ってたんだけどなぁ」
――こんなエロ顔のブサイクじゃなくて。
最後にそう嘲笑った兄みなとは、スマホの通話を切り、私に向かって放り投げた。
「邪魔してごめんな。今日は挨拶だけしに帰ったんだ。またくるよ」
お兄ちゃんの声が布団の上から駆け抜ける。
ただただ怖くて、私はそのまま彼が部屋から出て行くまで待ち続けた。
やがてドアの閉まる音がして、人の気配が無くなると、私は逃げ込んでいた闇から這い上がった。
すぐさまスマホを手に取る。
……やっぱり八反田さんとの通話は切られていた。